姿勢

【スマホ首】ストレートネックの原因と対策【現代病】

働き方は時代と共に変化し、現代では肉体労働から知識労働に変化しています。

そんな中、急速に普及していったパソコンや、スマートフォンの影響から、デスクワーク主体の労働者たちから、肩こり、頭痛、めまい、様々な症状を引き起こす”スマホ首・ストレートネック”といわれる現代病が頻繁に見られるようになりました。

こんな症状から解消されたい、解放されたいといった声は、未だ鳴りやむことを知りません。

今回は、そんな辛い症状の対策と矯正エクササイズを紹介していきます。

ストレートネックの頚椎の状態

※C=頚椎(けいつい)=Cervicalの略。

頚椎は後頭骨(C0)、環椎(第2頚椎:C1)、軸椎(第2頚椎:C2)までを上位頚椎と呼び、C0/C1、C1/C2の関節には椎間板はありません。C1/C2には屈曲、伸展の可動域はほとんどありませんが、首を回すような回旋の動きに優れています。

それより下のC3(第3頚椎)以降は下部頚椎(C2/C3~)と呼ばれます。

これが、不良姿勢などで、アゴが上がり、上部頚椎の前弯は強くなり、下部頚椎は後弯してしまっている状態”ストレートネック、通称スマホ首”と呼ばれています。

上の図左のように下部頚椎にはゆるやかな前弯カーブがあり、あごもひけています。

上の図右のストレートネックでは、アゴが上に上がり、下部頚椎は後弯してしまっています。

ストレートネックになってしまう原因

上の図のような姿勢に親近感を感じる人は要注意です!

図ではパソコン操作時の不良姿勢です。背中が丸くなり、猫背になり、モニターを見入るようにアゴが前に出てしまっている姿勢がストレートネックを助長してしまっています。

その他、この姿勢同様に首にストレスをかけている生活習慣として代表的なものは…

  • スマートホンの使用
  • 読書
  • 車の運転
  • お化粧で鏡をのぞき込む
  • 料理や家事
  • あわない枕
  • etc

など考えればきりがありませんね(-_-;)

スマホや読書が悪いのではなく、このような姿勢、環境が諸悪の根源だと考えられます。

姿勢の崩れの悪循環

ストレートネック、猫背、なで肩、巻き肩は、これらの1つでも不良姿勢があると悪循環により、これら全てを併発するリスクがあります。

猫背の人は放っておくとストレートネックに、ストレートネックの人は猫背にという具合に、多くの場合は首単体の問題ではなくなっていきます。

つまり、ストレートネック、スマホ首だからといって首だけ気を付けていたのではなかなか矯正は難しいということになります。

これらの姿勢は全て、アゴが上がり、頭部が前方に突き出したような姿勢を示します。

肩こりや、疲労が溜まりやすくなるだけでなく、見た目、顔つきにも変化をもたらします。

アゴが上がり、構造的に常に上を見上げた姿勢ということは、頚の前側の筋にアゴが引っ張られてしまい、アゴと首の境目が薄くなり、Eラインの崩れや、下方に顔面の皮膚が引っ張られることによりほうれい線もできやすくなってしまうでしょう。

下記の関連記事も参考にしてみてください。

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筋のインバランス

猫背でアゴを突き出した頭部前方位の姿勢では、筋の短縮・筋緊張亢進と、筋力低下が生じます。

これを修正するには、元の位置に戻すためにストレッチを行い、適切な位置でキープできるように筋の収縮を習得する必要があります。

筋の短縮・緊張亢進(硬くなる)

  • 後頭下筋群
  • 胸鎖乳突筋
  • 斜角筋
  • 肩甲挙筋
  • 小胸筋

筋力低下

  • 僧帽筋
  • 前鋸筋

エクササイズ

後頭下筋群のストレッチ

  • 大後頭直筋
  • 小後頭直筋
  • 上頭斜筋
  • 下頭斜筋

上記4つの筋肉のことを総称して後頭下筋群といいます。

この筋は上部頚椎を制御する上で重要な役割を持つ反面、ストレートネックや、猫背でアゴが出ている姿勢が続き、この筋が硬く(緊張亢進)なってしまうとアゴを引きにくくなったり、アゴの開閉がうまくいかなくなったり、筋の付着部が後頭骨にあるため頭痛も引き起こす場合があります。

またこの筋は、目の動きとも連動しており、パソコンや、スマホといったモニターをキョロキョロ見渡すことでも良く使われ、疲労します。

環椎(第1頚椎)は耳穴のすぐ後ろで触れられ、その下の出っ張り、下を向くと良くわかります、それが軸椎(第2頚椎)の棘突起になります。

ストレッチの方法

  1. 後頭部から首の方へ触っていき最初の出っ張り(第2頚椎の突起)を左手の小指側の手で包むように握り、固定する
  2. 固定した所より上にある、上部頚椎を右側屈、左回旋、屈曲させ、その方向に右手で軽く抑える(強くは押さない)
  3. 同様に反対も行う

 

もし、顔を下を向けたり、左右に向いていると”めまい””吐き気”をもよおす人は、翼状靭帯や椎骨動脈にトラブルがある可能性があるので、エクササイズは行わずに、ただちに医療機関を受診してください。生命活動を脅かす可能性があります。

胸鎖乳突筋のストレッチ

本来、頭部の屈曲と回旋に作用する筋ですが、頭部前方位のアゴが上がった姿勢では伸展方向に作用してしまいます。つまり、アゴが出る方です。

近位の鎖骨を挙上する働きも持っていることから肩の挙上制限にもなることがあります。

ストレッチの方法

  1. ストレッチしたい方の手で椅子の座面を握って肩が挙がってこないようにする
  2. 左を伸ばす場合、右側屈、左回旋、下部頚椎を伸展する
  3. アゴだけ引くように上部頚椎だけ屈曲する
  4. 胸が挙がってこないように腹式呼吸を意識する

 

斜角筋(前・中部)のストレッチ

前・中・後の3つの筋に分かれています。

呼吸補助筋でもあり、胸式呼吸をする際に多く使われます。

第1・2肋骨を引き上げる働きもあるため、腹筋が弱く、胸式呼吸で斜角筋の過剰収縮がある人では、ハト胸のように胸が膨らんで見える場合があります。

特に前斜角筋と中斜角筋と鎖骨で囲まれる間には、腕に伸びる神経が走っているので、痺れや、筋力低下を起こすケースもあります。

ストレッチの方法

  1. この方法では主に前・中部繊維がストレッチされます
  2. ストレッチしたい方の手で椅子の座面を握って肩が挙がってこないようにする
  3. 左を伸ばす場合、右側屈、左回旋、頚椎と頭部を伸展する
  4. 胸が挙がってこないように腹式呼吸を意識する

先ほどの”胸鎖乳突筋”のストレッチと動きは同じで、アゴを引いたら”胸鎖乳突筋”のストレッチ。アゴを挙げたら”斜角筋の前・中部繊維”となります。

肩甲挙筋のストレッチ

肩甲挙筋や菱形筋が優位に働いている状態で、僧帽筋に筋力低下がある場合にはなで肩、巻き肩になりやすくなります。

また、これらの筋は肩甲骨を下方回旋、つまり、肩を挙上する際のアクションとは逆の動きになります。肩甲骨が下方回旋したまま、肩(上腕骨)を挙げようとすれば、骨どうしが衝突し、肩に痛みが出てしまうでしょう。

ストレッチ方法

  1. ストレッチしたい方の腕を挙げて、肘(または手のひら)を壁に押し当てる
  2. (肩を挙上することで、肩甲骨の上方回旋を作っている)
  3. 左手を挙げている場合、頚部を右側屈、右回旋、屈曲する(首は無理に引っ張らない)
  4. 上腕の長軸方向に押し込むように圧を加える

 

左側のストレッチ

小胸筋のストレッチ

先ほどの肩甲挙筋と合わせて、優位(過剰収縮)な状態では巻き肩になりやすくなります。

また、この小胸筋の下には腕神経叢と動・静脈が通っています。

先ほどの①前・中斜角筋の間、②鎖骨の下、③小胸筋の下の3点で神経や動脈の狭窄が確認される場合を胸郭出口症候群といいます。

その中でもこの小胸筋で狭窄する頻度が多く報告されています。

ストレッチ方法

  1. ストレッチする方の肩を90°程度上げて、壁または柱に手の平と肘を押し当てる
  2. 手の平と肘が離れないようにお辞儀をしていく
  3. ストレッチしていない方の足を前に一歩出すと安定する

 

胸郭のストレッチ

胸椎と肋骨を含めて、胸郭と呼びます。

胸を張ろうとする場合、胸椎の可動域に加えて、肋骨の間も開くことが求められます。

呼吸を吸うときに肋骨は開いて挙上します。吐くときに肋骨は閉じて下降します。これが制限されると呼吸効率が落ちてしま、浅い呼吸、腹式呼吸ができなくなり、筋力低下から腰痛、肩こりの原因にもなり得ます。

その他、この可動域が小さい場合には便秘、逆流性食道炎、腸ヘルニアといった内臓圧迫での疾患リスクも増加する可能性が考えられます。

肋骨の間にも筋肉が存在し、ストレッチすることができます。下記に紹介する方法では胸椎の可動性と肋骨の可動性を同時に促します。

ストレッチ方法

  1. 背もたれ付きの椅子に座る
  2. 左側をストレッチする場合、左手を頭の後ろに回す
  3. 腰椎はなるべく動かさない。アゴは引いておく。
  4. 息を吸い込みながら、胸椎を右側屈、左回旋、伸展させる
  5. この時、背もたれに胸椎と肋骨を押し付けて、背もたれの上端を支点にするように行う
  6. 息を吐きながら元のまっすぐなニュートラルの姿勢に戻す
  7. ④~⑥を繰り返す

椅子の背もたれの上端が支点になるため、上の方の胸椎、肋骨を動かしたい場合は、お尻を前に出すと、背もたれ上端が上に上がってきます。

胸の前などにある上の方に位置する肋骨を下に押し下げることも有効となります。

 

前鋸筋の強化

僧帽筋と共同で肩甲骨の上方回旋に深く関わっており、肩甲骨を胸郭に固定しておく安定性に関わる作用も持っています。

前鋸筋が筋力低下が起こると、肩甲骨内側が本来のレールから外れてしまい、その他の周囲の筋も運動軸のズレから力がうまく発揮できなくなります。肩の挙上制限や骨衝突による痛みが現れるでしょう。

肩甲挙筋や、菱形筋が優位で、肩甲骨が下方回旋している場合、筋力低下が疑われます。

前鋸筋の強化運動

  1. プランク(うつ伏せで肘立て)あるいは、四つ這いになる
  2. 床面に付いた肘、あるいは手の平に圧をかけて押し込む
  3. 前鋸筋がうまく働くと身体が上に上がるのがわかる
  4. 素早く上がり、ゆっくり降りるを繰り返す
  5. この際、アゴは引いて、腹筋にも力を入れておく
  6. 慣れてくれば片手で状態をキープするなど難易度を上げていく

 

僧帽筋の強化運動

上部・中部・下部の3方向の繊維に分けられる大きな筋です。

肩甲骨の内側を押し下げ、上方回旋する作用を持っています。

アゴを引いた姿勢での肩の挙上では通常、僧帽筋がメインで上方回旋を行いますが、アゴが上がり、頭部前方位の姿勢では、肩甲挙筋や、菱形筋などの肩甲骨を下方回旋する筋が優位となり、僧帽筋はあまり使われなくなってしまいます。

猫背と、巻き肩が合わさるとさらに常に伸長されたポジションになっているので筋力低下が疑われる筋となります。

上部繊維の強化運動の方法

  1. 椅子に座った状態で胸を張り、アゴを引いておく
  2. 肩を外転90°、肘を屈曲90°で”力こぶ”を作るような形で腕を挙げる
  3. 上腕骨(肘と肩を結ぶ線)を床と一直線になるように素早く挙げる
  4. ゆっくり卸して②のポジションに戻る
  5. ③~④を繰り返し、10~20回を行う

筋の単独での収縮に慣れてきたら、ダンベルや重りを使って負荷を上げていきます。

このエクササイズは負荷は少ないものの、姿勢を保持する筋使い方の練習です。道具もいらないので、デスクワークの間に取り入れるのがオススメです。

 

下部繊維の強化運動の方法

  1. 壁の目の前で両手をバンザイの形で挙げて手の平を後ろに向ける
  2. 手の甲は壁に置く
  3. 壁から手の甲を離す
  4. ゆっくり卸して壁に手の甲を置く
  5. ③~④を繰り返し、10~20回行う

下部繊維は主に肩の最大挙上位の直前でより多く働きます。

先ほどの上部繊維と同様に、アゴを引いて胸を張った状態で行います。

環境を考える

これらのエクササイズの他には、胸を張ってアゴを引いた状態で作業ができるように、椅子や机の高さ、環境を変えるといった方法もあります。

パソコンモニターや読書する際は正面より少し目線を落とした位置、つまりアゴを引いて作業できるように配置しましょう。

良かったらこちらの式も参考にしてみてください。

[椅子の高さ]=身長×0.25 – (0〜2) cm
[  机  の高さ]=身長×0.25 – (0〜2) + 身長×0.183 – (0〜2) cm
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