- 温めても改善されない冷え性
- 運動不足で循環が悪い?
- 筋量が低くて代謝が悪い?
- 私は昔からずーっと冷え性なんだ、と諦めている方
一見して冷え性に見える症状の中に実は病気が潜んでいるかもしれません…
一般的な冷え性の原因
- 体質・体格
- 自律神経の乱れ
- ホルモンバランスの変動
- 生活習慣
筋量が低い、体脂肪が低いなど体系の問題についての対策は、運動と食事による筋量upが必要です。ダイエットで過度な脂質制限をしている人は注意が必要で、ストレスによる自律神経やホルモンバランスの乱れが現れる場合もあります。
食事での脂質は最低でも全摂取カロリーの20%以上は摂るようにしましょう。特に女性ホルモンは脂肪を蓄える性質をもっているため、ホルモンの材料であるタンパク質や、脂質を制限することはそれらの症状が起きやすくなります。生活習慣として、仕事での過労、十分な睡眠がとれていない、食事内容、ライフサイクルの変動が大きいなど労働内容や、ライフスタイル全般を見直す必要があるかもしれません。
冷えを感じる疾患
冷えの中には油断ならない症状の兆候の場合も存在します。
- 甲状腺機能低下症
- 血管性の循環障害
- 末梢神経の障害
甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンが出にくくなり、活動性が大きく低下するとともにむくみや全身のだるさなどが現れ、活気がなくなる病気です。女性に多くみられます。 身体の冷え、身体の体温低下とともに以下の症状が出現している場合は疑われる場合があり得ます。
- まぶたや顔が腫れてしまう
- 声がかすれる。低くなる
- 皮膚の乾燥
- 足やまぶたのむくみ
- 血圧低下
- 抑うつ傾向
- 食欲が減るのに体重が増える
- 徐脈
- 月経異常
- ささいな運動ですぐに疲れてしまう
血液検査で調べることができるので上記項目に覚えがある方は一度診察を受けてみたほうが良いかもしれません。
血管性の循環障害
冷えを感じるというより痛みを伴う場合です。
温度(熱さ、冷たさ)を感じる感覚神経の経路は、痛みの信号と同じルートを通るため、本人の自覚症状として「痛い」のか、「熱い」のか、「冷たい」のかがあいまいな場合が多く見られます。
閉塞性動脈硬化症
手や足の血管の動脈硬化により、狭窄(血管が狭くなる)や閉塞(血管が詰まる)を起こして、血液の流れが悪くなり、手先や足先へ栄養や酸素を十分に送り届けることができなくなる病気で、手足に冷えや、痛みを感じます。これらは神経症状と症状が似ているため鑑別が難しい場合があります。
深部静脈血栓症
痛みを伴う血管性の疾患で重篤なもので深部静脈血栓症があり、 多くの場合は、下肢の静脈に生じることが多く、 俗にエコノミークラス症候群とも呼ばれたりします。症状として 患部(主に下肢)に血栓ができ、赤黒く腫れあがり、痛みが現れます。併発するリスクとして、下肢でできた血栓が肺に飛んでしまい、血栓肺塞栓症などを引き起こす場合があるので、血栓ができてしまっている場合に急に身体を動かすことは危険となります。寝たきりの方、避妊薬などホルモン剤を飲んでいる方などは、深部静脈血栓症になりやすいことが知られています 。
末梢神経の障害
下肢のシビレや、痛みを「冷え」として認識してしまっている場合です。先にも述べたように「冷え」と「痛み」の感覚は自覚症状として曖昧なもので、末梢神経にトラブルを起こしている場合では、機能が「亢進」または「低下」します。
亢進している場合
正常ならば小さな刺激であるはずのものが大きく感じるようになります。つまり、生ぬるい風が当たっただけでも、氷を当てられているように感じることすらあり得ます。
低下している場合
感覚そのものが鈍くなります。触ったり、針でついたりしても感じにくくなります。足からの刺激が少なくなるため転びやすくなるといった症状も出現します。末梢神経のトラブルで感覚異常がある場合では筋力低下も併発していることが多いです。
自分でできる検査方法
甲状腺機能が疑われる場合は上記のチェック項目を参考にしてください。
血管性の簡易検査
足関節上腕血圧比(ABI:Ankle-Brachial-Index)というものを使います。
- 家庭用の血圧計を用意します。
- 上肢の血圧を測ります:特別な理由がない限り利き手で測ります。
- 下肢の血圧を測ります: くるぶし上の足首の位置でコードがお腹側へ来るようにまきます。
- ABI = (下肢の血圧) ÷ (上肢の血圧)
- 正常値は1.00~1.29です。
異常値の場合は通院にて精密検査をお勧めします。
ABI | 診断 | 追加検査(精密検査) |
---|---|---|
1.3以上 | 動脈壁の石灰化を疑う | TBI(下記記載) |
1.00~1.29 | ほぼ正常 | – |
0.90~0.99 | 境界域 | 負荷検査、エコー、CT |
0.89以下 | 血流障害、狭窄 | エコー、CT、血管外科受診 |
以下はTBIの測定ですが、自宅での測定は難しいです。
足趾上腕血圧比 (TBI:Toe-Brachial Pressure-Index )
動脈閉塞や狭窄を疑うとき第一選択としてABIを行いますが、罹患期間の長い糖尿病や維持透析患者では足関節より中枢(心臓に近い血管)の動脈は石灰化が著しいため、ABIが本来より高値となります。
実際には動脈閉塞や狭窄があるにもかかわらずABIが基準値の範囲内となり病変を見逃す可能性があります。そこでTBIでは足趾血管石灰化の進行している方でも、閉塞性病変の存在を測定することが可能です。TBIが0.6以下は狭窄などの血管障害を疑います。
神経性の簡易検査
- 冷えを感じる部位を実際に手で触ってみます
- 温度は他の部位と比べて本当に低くなっているかチェック
- 左と右を比べて温度に差があるかチェック
- ②と③で温度の差がない場合、同じ圧力で軽く撫でてみます。足を輪切り状に触っていきます
- 同じ個所を鉛筆やツメ先などで軽い痛みを出してみます
- ④と⑤を左右で比べ違いがあるなら末梢神経が関与している可能性が高いです
冷えを感じている部位以外にも腰痛や、お尻、太ももの裏などに痛みを抱えている方は、より神経症状の疑いが高まります。神経症状の場合の冷え(痛み)は温めたところで改善は難しいです。冷えとして感じてしまっている場合は末梢神経が亢進し、過敏になっている場合が多いです。過敏になっている状態では、皮膚に衣類が擦れたり、風が当たっても冷えや痛みとして捉えてしまい、刺激をすればするほど症状の改善から遠ざかってしまいます。
簡易的な対策として、衣類(ズボン)が皮膚と摩擦を起こさないように、ピッタリ皮膚に密着したタイツや、靴下、サポーターを装着することで皮膚への刺激から守ることができれば症状が軽快する場合があります。
まとめ
温度を感じる感覚神経の経路は、痛みの信号と同じルートを通ります。そのため、本当に体温が低いのか、またはシビレていて、その感覚を冷えとして感じ取ってしまうのか判別が難しいケースがあります。簡易的にできる検査を参考に自身で対処できない場合は専門家に相談を仰ぎましょう。
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