「O脚で足の形に自身がないから、あんまり露出をしたくない・・・」
「最近膝が痛いのはO脚のせいかな・・・?」
スタイルや見た目のコンプレックス、関節の痛みの原因と”O脚”と一言で言っても捉え方は様々です。
TVや雑誌、記事では、
「O脚は内転筋が弱っているのが原因です。内モモを引き締める運動をしましょう!」
「いいや、内モモは関係ない!お尻の外旋筋が弱っているのが原因だ!」
「何を言っている、骨の問題だから手術しかないよ!」
というように、意見が割れているの目にしました。
あくまでもO脚とは、見た目を表している言葉であり、原因と症状とはなんら関係のない言葉です。
そんな、見た目だけの判断では意見が割れてしまっても当然と言えるでしょう。
O脚を隠すためにX脚になっている方もいますし、その逆もあり得ます。
見た目ではなくそこに何が起こっているのかを考えていくことが重要になります。
O脚になる原因は大きく3つに分類することができ、当然それぞれのアプローチ方法も異なります。
今回は、そんな疑問にお答えしていこうと思います。
O脚とは
膝の内反、内側に曲がって、両膝の間に空間ができてしまうことを”O脚”や”内反膝”と呼ばれています。
つまり、このO脚という言葉が示すのは、原因や症状ではなくて、”見た目”を表しています。
O脚に見えても、原因はそれぞれで異なり、当然アプローチ、治療法も異なります。
- 構造的なO脚(変形や組織の損傷)
- 脛骨の弯曲
- 姿勢代償性O脚
①構造的なO脚
膝という関節は大腿骨(太もも)、脛骨(すね)、膝蓋骨(お皿)からできています。
これらの関節面の変形や、関節を取り巻く、靭帯、関節包に不安定性、また、それらの原因により骨の”位置異常”を示し、本来の関節軸での動きが制限されているものがコレに当てはまります。
いわゆる、画像検査でも所見が発見されるような病的なものです。これは必ず両膝とは限らず、片膝にのみ出現するケースもあります。
内反膝は下に位置する脛骨が外側へ移動した状態です。
内側の関節軟骨への圧迫が増加し、外側は離開する方向に力が働き、靭帯は延ばされ痛みもでるでしょう。
また本来の関節軸(レール)とは異なる方向で無理やりに関節を動かすため、周囲の筋にもストレスが加わります。この場合、膝の曲げ伸ばしに制限が必ず現れます。
痛みを伴う重症例の場合では、痛みは関節、靭帯、筋、神経といった様々な組織に拡大していきます。
”変形性膝関節症”や膝関節の靭帯、関節包の不安定性があることが疑われます。
曲げ伸ばしや、荷重時に痛みを伴う場合もあります。
またこのような、構造的な問題がある場合、過去にスポーツなどで怪我をしたことがあったり、股関節、あるいは足関節に可動域制限が見つかるケースがほとんどです。
つまり、膝だけの問題ではない場合が往々にしてあり、手術をしても、満足のいく結果にならなかったりと、成果に個人差が生じる原因とも言えるでしょう。
関節以外の痛みの原因に関しては別記事に記載してあります。
エクササイズ1
骨の位置異常を修正するエクササイズになります。
内反膝は、脛骨が外側に移動している状態なので、位置を戻すように力を加えます。
すなわち、エクササイズでは脛骨を内側の方向に押します。
- 両膝を近づけたままで床に両膝をつく
- 手を膝下の下腿外側に置く
- お尻を床に降ろしていくに従って、両手で下腿を内側方向に5秒間押す
- 10回3セット行う
- ※股関節に制限がある人は座布団やタオルをお尻の下に置いてかさ上げする
筋肉のストレッチというよりは、脛骨を内側へ移動させることが目的で行います。
エクササイズ2
先ほどのエクササイズの応用で、脛骨を内側へ移動させながら、膝の曲げ伸ばしをアクティブに行うこともできます。
スクワットや、フォアードランジの形が適しています。
膝が内反や、外反に傾かないようにニュートラルのポジションで行います。
チューブまたは、ベルトをかける位置は”脛骨の上端”です。
膝を外側から触ると腓骨頭が一番突起しているので、腓骨頭の直ぐ上にひっかけます。
②脛骨の弯曲
膝関節が内反しているのではなく、脛骨そのものが弯曲しているケースでは、O脚に見えてしまう場合があります。
この脛骨自体が弯曲している場合では、先ほどの”構造的な内反”のように片足立ちで、膝の内反が強くなるというサインは出ません。
つまり、構造的にはあまり問題はないということになります。おそらく痛みも出ないでしょう。
実は私もこの脛骨の弯曲が多少あるのですが、荷重位置をコントロールすることでO脚が軽減されました。
荷重が足裏の外側に集中してしまっている場合は、つま先内側(親指側)に荷重を誘導すると、改善がみられる場合があります。インソールで荷重をつま先内側に誘導することでも効果があるかもしれません。
エクササイズ3
エクササイズとしては、つま先内側(親指側)のつま立て動作から初めます。
可能な場合は、”運動連鎖”に基づいた、骨盤や、体幹の動きを交えた、より高度な運動に切り替えていきます。
- 右片足立ちで、左の骨盤を下に下げ、体幹と骨盤を右に回旋させた状態からスタートする
- 体幹と骨盤を左に回旋、左の骨盤を挙げ、足の裏の荷重をつま先内側に移す
- 右のお尻の筋を意識して、股関節を外転・外旋すると左骨盤が自然と挙がる。可能ならつま立てをする
③姿勢代償性 O脚
股関節内旋位に伴った代償性のO脚です。
股関節外旋筋(お尻の筋)が筋力低下を起こしているの股関節は内旋位になります。(膝の皿が内側に向く)
通常、股関節を内旋するとX脚になりますが、ここから膝を過伸展(伸ばす)とO脚(内反膝)になります。
このように、膝関節や骨形状に問題が無くても、大腿骨の内旋、膝の過伸展、足の回内が組み合わさることで弓なりのO脚に”見えて”しまいます。
この場合、股関節の内旋位を修正するためにお尻の筋を強化します。
また、同時に膝の過伸展に対するアプローチ(ハムストリングスの強化など)も必要な場合もあります。
エクササイズ4
先ほどの”エクササイズ3”の形でのトレーニングでも良いのですが、姿勢代償性のこのケースでは殿筋の筋力低下が著しいと予測されます。更に簡単な運動からスタートしましょう。
- 上半身が動かないように腹筋に力をこめる(床から腹が離れるように)
- 右の股関節を伸展(反らす)・外転(開く)・外旋(膝のお皿が外を向くように回す)させる
- 図の姿勢まで持っていったら5秒キープを10回行う
この運動に慣れてきたら立位で行う、”エクササイズ3”を行います。
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エクササイズのゴール
今回紹介した、エクササイズに慣れてきたら、自重やウェイトを使って、ブリッジング、スクワットやデッドリフトといったようにどんどん負荷を上げていき、より高難易度の物にシフトしていきます。
単純に重さを上乗せするのではなく、姿勢をどんどん不安定なものにしていくことで自宅でも運動を作ることが可能です。スクワットをバランスクッションの上で行う等が当てはまります。
加齢に伴い、徐々に筋力低下や、関節の不安定性も現れるでしょう。
つまり、これらの運動で例え効果が出たからといって、即中断してしまえば、身体はみるみるうちに衰えていくでしょう。
これを機会に運動にハマってしまったという方は、ぜひ更なるチャレンジをしてみてください。
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