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【PT】私の考える理学療法士とは【在り方・選び方】

私が理学療法士(以下PT)の国家試験を終えてから、かれこれ8年が経ちました。

社会の高齢化に伴い、認知されてきており、どんどんその数は増加傾向にあり、平均年齢も30歳前後と比較的若めの分布になっているようです。

医療、介護、スポーツと、その働き方、活動範囲は日々拡大していっているように感じます。

しかし、この資格は私の経験上まだまだ認知がされていない…というより、

「マッサージする人でしょ?」「病院にたくさんいるリハビリスタッフは全部おんなじでしょ?」

名前は知っているけど活動内容、何ができるかというのが知られていない、また、医療施設ないでは、”リハビリ”という一括りでまとめられる傾向にあります。

まあ、免許を取りたいと思うか、何らかの形で関わる機会がなければ知り得ない情報ですからね。

それに、時代とともにその活動内容は変化していかなければならないので、誤解が生じているということは、私たちのようなPTが日々成長を続けていると捉えることもできます。

そして、今回は私なりにPTとはどういったものかというのをまとめてみましたので、ぜひこの機会に知っていただければ幸いです。

PTとは

Physical Therapistの略称でPTと呼ばれています。Physicalには”肉体”や”物理”を表す単語ですが、なぜか日本語訳され、理学療法になっています。

そもそも、海外から入ってきた言葉なので、わざわざ日本語でふさわしい言葉を探さずに、そのままフィジカルセラピストのままで良かったのではと常々思います(笑)

理学療法士って名前を初めて聞いた人は、必ず頭の上に「?」が浮かんでしまいます(笑)

何をする人なのかさっぱりわかりませんからね…。

ケガや病気などで身体に障害のある人や障害の発生が予測される人に対して、基本動作能力(座る、立つ、歩くなど)の回復や維持、および障害の悪化の予防を目的に、運動療法や物理療法(温熱、電気等の物理的手段を治療目的に利用するもの)などを用いて、自立した日常生活が送れるよう支援する医学的リハビリテーションの専門職です。治療や支援の内容については、理学療法士が対象者ひとりひとりについて医学的・社会的視点から身体能力や生活環境等を十分に評価し、それぞれの目標に向けて適切なプログラムを作成します。

理学療法士協会からの引用です。「など」という抽象的な言葉が多いですね。それだけこのPTというのは活動範囲や、できることが多いという裏付けにもなると言えば響きは良いのですが・・・

PTとは、簡単に言うと”Physical”、つまり、肉体、身体のプロフェッショナルです。筋肉、神経、骨、関節、靭帯といった運動にまつわる人間の組織を一般に運動器と呼びます。この運動器に対して”アプローチ”をかけて、身体能力を向上させます。

「脳卒中を見るのが花形だ、整形外科の運動器疾患は放っておいてもある程度回復するのだから」と言われる方も中には存在しますが、根本原因が、脳であっても心臓であっても、呼吸器であっても、間接的に運動器を介しての介入方法を主軸に行うはずです。観血的や、薬物といった手段は用いることはできないので運動器を診るというのが基本と考えます。

リハビリの原点としては、戦争の負傷兵を戦場に復帰させるための治療、応急処置という色が強かったようです。

治療というと、壊れたものを元に戻すイメージですが、現代のPTに求められているのは病気、疾患に捕らわれることなく、身体能力を向上させることが根本の目的と考えています。

PTの専門性

医療保険の分野、つまり病院でのリハビリは、疾患別リハビリとも言われていて、「○○骨折」や「脊柱管狭窄症」「腰椎椎間板ヘルニア」などの診断名がついて医師からの処方によりリハビリが行われます。

しかし、臨床現場では、この疾患名が正しい保証もありませんし、たくさんの要素が複雑に絡み合って、痛みや、筋力低下、関節の動きが悪くなっているいるケースが多く見られます。

個人的な意見ですが、”疾患に対してリハビリ(治療)を行う”という考え自体もはやナンセンスと考えています。

腰痛の原因に関して言えば、医師が特定できるのは15%にも満たないと言われています。

そして、分からないし、薬も効きそうにないからと、PTの元に周されるというのが整形外科外来の日常風景だと感じています。

医師によって対応は上下するかと思いますが、中小のクリニックや公立病院ではこういった状況が多いと思われます。

つまり、医師の検査結果と診断名を見ても得られる情報、私たちが知りたい情報は極わずかということです。

では、私たちが最初にすることは、もしかしたら医師がしたかもしれない、問診と検査をすることから始まります。

これは、そもそもの考え方が医師とPT、個人と個人で違うので検査は許される限り入念に行うことが重要です。

私は初めて受け持った患者(クライアント)を引き継ぎという形で、他の人が検査した結果と、治療内容を教えてもらいました。そして、最初に先輩から釘を刺された言葉が印象的だったので、今でも鮮明に覚えています

人から聞いた検査データや、治療内容を鵜呑みにして、まるまる同じことをするのは”みっともない”からやめろ!」

初めて聞いた時は、なんて怖いこと言う人だろうと思いましたが、コレが心理だと今でも思っています。実際に怖かったのは、その先輩の人相でした(笑)

学校卒業したばかりというのは、焦って治療の技だけ覚えようとする。もしくは、この疾患にはコレと型にはめ込むケースが新人の間では見うけられます。

検査なしに治療できるはずもないし、相手に状況を説明してあげることもできません。例え状態が変わらなかったとしても、「あなたの痛みはこういう理屈で出ています。日常でこんな悪い動作してないですか?などストーリーのように説明するだけでも相手から好感が持たれるはずです。

問診 → 検査 → 試験治療 → 再検査

基本はこの”PDCAサイクル”はこれの繰り返しです。これさえできていれば、おそらく悪い結果にはならないはずです。

反対にできていなければ、治療とは呼べないでしょう。

これは医療だけでなく、介護であっても、スポーツ分野であっても同じことが言えます。

医師や、自分の上司であったとしても、こと専門性においては、立場であったり、上下関係は邪魔な存在にもなり得ます。

専門家、プロフェッショナルという視点では、並列な関係性が理想的だと考えています。

現代医療の医師は、動作、姿勢、筋の長さ、靭帯、関節の動き、筋力検査であったり、体表からの触診はおろそかになっています。これらはPTが長けている分野であり、存分にその専門性を発揮し、活躍できる分野だと言えます。

画像に映らない所見なんて山ほどありますからね。

つまり、その専門分野においては、右にでるものはいないという状況が求められます。医師の下位互換になってはいけないのです。

医療・介護施設・機関における、PTは頭数だけを優先されている傾向にあります。

業界でも医師・薬剤関係が資金力・政治力ともに飛びぬけており、この状況に甘えていては、より一層に格差は広がってしまうことでしょう。

個々がPTとしての専門性をアウトプットし、社会から、周囲から認めてもらう必要があると考えています。

セラピストの選び方

病院のPTであったり、接骨院や、整体院でも同じことが言えるのですが、上記のPDCAサイクルがない、問診や検査もろくにしなければ、それは治療とは呼べません。

私の知っている酷いケースだと、問診は「どこが痛いですか?」だけで終わり、あるいは医師の診断で「腰痛」書いてあれば、「とりあえず腰を引っ張ってから、電気を当てましょう」のように思考停止のケースです。

「そこに寝てください」と言って、いきなりマッサージを始めるのもアウトです。

このようなケースは滅多にないと信じたいですが、存在するのも事実です。

状態を把握せずに、適当に満足とりに走ってしまえば、最悪の場合、症状を悪化させてしまう可能性があるからです。

例え、障害がなく健康な方であったとしても、パフォーマンスを逆に低下させてしまう可能性もあります。

つまり、セラピスト・療法士ではなく、加害者ということになります。

もし、治療やトレーニングを受ける機会がある場合は、問診と検査を十分に行ってもらえる施設と人を選ぶことをオススメします。

総括

私は”PTとは、単なる資格であって業務内容ではない”と考えています。

やっている内容は個人によっても、施設によっても世代によっても大きく異なります。

PTとは医療機関、介護施設で働く上での免許証でしかなく、その資格を持っていたからといって、技術や知識が約束されたものではありません。これはPTに限ったことではありませんね。

車の免許を持っていても、レースに参加している人や、近場のスーパーへの利用だけ、あるいは改造を楽しんでいる人もいます。

免許・資格の使い方は十人十色でとても幅広く、無限の可能性があると言えます。

”間違ってなければ、道からはずれていなければ何をやっても良い”

そんな存在だと私は認識しています。

今後、時代の流れと共に更なる発展を目指して、私自身も精進していこうと考えています。

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