運動・トレーニングはなんのためにしますか?
ダイエット・・・
ボディメイク・・・
筋肥大・・・
健康のため・・・
パフォーマンスの向上や、実際の動作に近い”機能的な運動”というのは考えたことがありますか?
何を目的にするのか、どこで使いたいのかを理解して運動やトレーニングを行うことで、成果があがりやすくなったり、楽しんで取り組むことができるかと思います。
今回は運動時に働く筋収縮の種類に着目して考えてみます。
筋の収縮の種類
- 等尺性収縮
- 求心性収縮
- 遠心性収縮
等尺性収縮
関節運動が起こらない静的な収縮(運動)になります。
筋の長さは一定で伸び縮みがない状態です。
例えば、肘を90度にして料理を落とさないようにオボンを持っている時には上腕二頭筋は収縮していますが、伸び縮みはしていません。
主な使われ方は物を一定の位置で持っていること、
座位、立位というような姿勢をキープするのに使われます。
一見止まっているように見える収縮になります。
トレーニングでの使われ方はプランク運動が代表的でしょうか。
止まっているだけなのに筋の収縮はあるのでじわじわとキツくなってくる運動のタイプになります。
止まっている姿勢を安定させたかったり、腰痛の方の腰椎保護などにも使われますね。
こういった運動を抑えておくと、ウェイトを上げたり、ハードな運動に移行する場合にも安定感が増し、ケガもしにくくなるという特徴も持っています。
また、筋の伸張位(筋が伸びた位置)で行うことでストレッチ、関節可動域の拡大も見込めるでしょう。
求心性収縮
筋が縮みながら(短くなりながら)の関節運動が伴う、動的な収縮になります。
例えば、肘が伸びきった状態から曲げていく時の上腕二頭筋は縮みながらの求心性収縮になります。
物を持ち上げたり、四肢を身体に引き寄せたりする際に使われます。
筋の収縮の中ではもっとも一般的な物がこちらの求心性収縮になります。
重力と反対の方向の動きとも表現できます。
トレーニングではスクワットで足を伸ばしている際、ベンチプレスで腕を伸ばしている際、
懸垂で身体を引き上げている際がこの収縮になります。
遠心性収縮
筋の長さが延長されながらの関節運動を伴う動的な収縮になります。
こちらは求心性収縮に比べて理解し辛い収縮の種類になります。
例えば、手に持ったカップを口元からテーブルの上に置くときに、完全に力を抜いてしまうと重力による落下でカップが割れてしまいますが、上腕二頭筋の遠心性収縮により、カップをゆっくりとテーブルに置くことができます。
重力と同じ方向の動きとも表現できます。
この遠心性収縮は先に紹介した他2つの収縮よりも運動強度が強いと言われています。
この運動を十分に制御できていないと関節を痛めるといったケガのリスクが跳ね上がります。
階段を降りる際の大腿四頭筋もこの遠心性収縮になります。
変形性膝関節症や、膝に障害をもっているとこの収縮が制限され症状は悪化していくでしょう。
機能的な運動の選び方
先に紹介した筋収縮の種類でトレーニングを考えた場合、
スクワットでは膝を伸ばして伸び上がる際は求心性収縮、膝を曲げて身体を下して行く際は遠心性収縮、下ろしきった所で一旦姿勢をキープするために動きを止めれば等尺性収縮になります。
このように一つの種目でも、収縮を意識して行うことでフォームや刺激に変化を与えることができます。
例えば、スクワットの場合は伸び上がる際の求心性収縮は、スポーツや、生活場面では瞬発力や速さが求められる動きになります。つまりこの伸び上がる際はなるべく素早く行うように意識して行います。注意として、膝を伸ばしきって関節に衝撃を与えてしまうとケガのリスクに繋がるので考慮しなければなりません。
一方で、膝を曲げて身体を下ろしていくのは遠心性収縮です。この遠心性収縮はスポーツや生活場面ではブレーキ、制御に関与します。ここでしっかりブレーキをかけるためには”ゆっくり行う”ことが重要となります。
そして、下ろしきった所でキープする動作を加える。これは、安定性、スタビリティの改善に役立ちます。関節を一定の位置で止めておく姿勢制御に関与し、腰痛の予防や、美容面からも姿勢が綺麗になったりといったメリットをうけることができます。
まとめると、求心性収縮は瞬発力を重視した素早い動きを、遠心性収縮はブレーキをかけるようにゆっくりと、等尺性収縮では姿勢を崩さないように一時的に止めておくことを意識します。
ベンチプレスでは押し上げる時は素早く、下ろす時はゆっくり、下ろしたところで一旦キープとすることで、これらの収縮の種類を強調することができますね。
特に求心性収縮の瞬発力、素早さを強調する場合は重量を下げて、速度を上げてみるのも良い刺激になるかもしれませんね(*^^*)
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