身体の悩み

【首のリスク】徒手療法や整体を受ける際は十分な検査が必須

首が痛い、手がしびれる、めまいがする・・・

 

そんな症状にお悩みの方はいませんか?

頚椎の症状はリスクを伴うため、治療する側もあまり触りたくない、関わりたくないというケースも少なくはない部位になります。

 

画像での診断ではなかなか原因追及に踏み込めない現状があり、内服に関しても画期的な効果のあるものは知る限り存在していません。

まずは、なぜ症状が出ているのかを知ることから始めないと大変なことに・・・命を脅かす危険すら秘めている、リスクを伴う部位となっています。

 

徒手療法や整体を受ける際はくれぐれも十分な検査を行った上で実施してください。

検査を疎かにする施設、人は避けるべきでしょう。

 

では、何がそんなに危険なのかを見ていきましょう。

頚椎のリスク

頸椎捻挫(むちうち損傷)は、頸椎の亜脱臼や靱帯に傷害を受けるため、様々な神経症状を示す。主訴としては、めまい・耳鳴り・視覚障害・痺れ・疼痛等の症状を訴えることが多い。問診や視診でこのような症状が認められた場合、その程度によっては生命を脅かすことになる。

むち打ち損傷などによって、上位頸椎の不安定性の症状を訴える患者は少なくない。上位頸椎に重篤な問題がある場合には、徒手療法は禁忌であるため、このような患者に対しては、まずは問診や視診を行う。そして上位頸椎の不安定性の症状を疑われた場合、必ず上位頸椎の安定性テストや椎骨動脈テストを行い、安全性を確認した後で詳細な評価・治療を行うべきである。

首、頚椎の治療・検査の際は慎重に行われるべきです。

一つ間違えば簡単に悪化してしまい、最悪の場合は死に至るケースもあるからです。

上位頚椎の安定を保つ重要な靭帯

上位頸椎(後頭骨~第2頚椎)には安定性を維持するために働くいくつかの靱帯があり、これが上位頸椎の動きを誘導・制限しています。

そして、この靱帯の作用により環椎後頭関節(頭と第一頚椎の関節)は主として屈曲-伸展の動きと同時に側屈と反対側への回旋をわずかに伴います。

環軸関節(頚椎1と2の関節)は歯突起を中心に回旋運動を主に担っています。

  • 翼状靭帯
  • 環椎横靭帯
  • 蓋膜

 

 

翼状靭帯は、軸椎(C2)の歯突起と後頭骨を強固に連結しています。そのため上位頸椎の運動パターンに最も影響を及ぼしている靭帯となります。

環椎横靭帯は、歯突起を環椎(C1)の腹側椎弓に強固に固定し、回旋のコントロールを行うだけでなく、歯突起の後方移動による脊髄の圧迫を防いでいます。

蓋膜は、環椎横靱帯を後方から覆う幅広い膜であり、後縦靱帯に続いています。

 

外傷等で、これらの靱帯が伸張されると上位頸椎の不安定性の原因となります。

翼状靱帯や環椎横靱帯が伸張や断裂した場合では歯突起が脱臼してしまい、延髄の呼吸・循環中枢を圧迫し生命を脅かすことにもなります。

 

また、上位頚椎の安定性を担っている翼状靱帯の損傷が起こると、本来は重要な組織を守るために動きが制限されていなければならないはずが、グラグラの状態になっていまいます。

つまり、上位頸椎の間で過度の回旋運動を引き起こし、椎骨動脈を過度に圧迫し損傷を受けやすくなってしまいます。

椎骨動脈は頸椎横突起を通過するため、頸椎の動きや変性に大きく影響されます。

特に軸椎上での環椎の回旋により反対側の動脈の蛇行が著しくなり、虚血性症状が生じることが考えられます。
頚部の回旋、顔を横に向けていると、めまいや、気分が悪くなる場合は要注意が必要となります。

 

この不安定性を検査せずに、あるいは知らずにカイロプラクティクや整体全般で知られる徒手療法を行えば命を落としたり、脳血管障害を引き起こすことにもなります。

実際に何件かの事故は過去に報告されており、靭帯の不安定性があるにも関わらずに徒手療法を実行してしまったことが原因とされています。

 

翼状靱帯の損傷に伴う症状では、

  • 頭痛(後頭部)
  • めまい
  • 嘔吐
  • 四肢の感覚障害
  • 四肢麻痺
  • 視力障害
  • 耳鳴り
  • バランス障害

といった症状が表れます。

 

環椎横靭帯の損傷に伴う症状では、以下が表れやすいとされています。

  • 足下を見る、下にうなずくとめまいがする
  • 下肢の麻痺
  • 眼振
  • 嚥下障害
  • 舌の感覚障害
  • 咽頭の違和感
  • 頭痛
  • 耳鳴り
  • バランス障害

徒手療法や整体を受ける際は十分な検査が必須

  • 翼状靭帯・環椎横靭帯の損傷有無と正常に機能しているかの確認
  • 椎骨動脈の圧迫の有無の確認
  • 下位頚椎の末梢神経症状の確認

最低これらの検査を行った上で頚椎の治療を行わなければ、治療する側は加害者に、受ける側は被害者となってしまうかもしれません。

問診や、検査は時間もかかり煩わしいと感じる方もいるかもしれませんが、双方を守る上で欠かすことのできない工程です。

 

反対にこの検査を飛ばして、いきなり動かしたり、マッサージを行うことはかなりのリスクを伴うことになります。

いきなり、「ベッドに寝てください」や、「とりあえず首を引っ張ります」などは大変危険なので、信頼できる”人”と”場所”を選べるようにしましょう。

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理学療法士(PT)である上で学んだ医療や身体の知識を使って『美容と健康』に関する情報を発信します。
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