- 肩こり、首の痛みは枕のせい?
- ぐっすり、質の良い睡眠がとりたい
- たくさんの枕を買い漁ってきたけどどれもしっくりこない
毎晩お世話になる枕だからこそこだわりを持っている方も多いかと思いますが…そもそも選んでいる基準はありますか?
業務上、姿勢や動作を指導してきた私なりの解釈を交え、おすすめの寝方、枕の選び方について、お話していきたいと思います。
枕・クッションを使う意味
言葉の定義として、ここでは寝具として、頭の下に敷く物を枕、それ以外をクッションとします。一番の目的は姿勢の安定化、圧力分散にあるかと思われます。
しかし、このままでは頭部は軽いため大抵の場合、首の下にスペースが空きます。後頭部が点で支える状態になります。そこで枕の出番ですね。また、仰向けの場合は頭部に使用する枕だけで完成される場合が多いですが、横向き(側臥位)、うつ伏せ(腹臥位)では枕の他にクッションを使用すると、楽に姿勢を維持したり、圧分散することができます。
主な使い方・寝方
大きく二つの寝方に分けられます。
- 仰向け(仰臥位)
- 横向き(側臥位)
仰向け(仰臥位)
最もオーソドックスな形です。枕なし状態で首の下の空いたスペース埋めるように。後頭部をを包むように設定します。頚椎は上から数えて1~7番までがあり、頭部~第2頚椎(上位頚椎)までは屈曲(後湾)しています。第2頚椎~第7頚椎(下位頚椎)までは伸展(前弯)しています。S字カーブを描いているのでこの曲線が崩れないようにします。
枕によって、顎(あご)が上がった状態、つまり上位頸椎が後弯ではなく前弯してしまうと上位頚椎に負担がかかり痛みを引き起こす危険がでてきます。後頭部を上げ過ぎると気道が塞がれて”いびき”をかきやすくなるかもしれません。また、胸や肩が丸まってしまっている方は、大きめの枕で肩甲骨あたりまでサポートするのも良いかもしれません。ちなみに、下位頚椎の前弯が消えたものをストレートネックなどと呼ばれていますね。
お勧めは、チップのウレタンを増減調節できるものです。これは高さを自由に変えられることとある程度の形状をキープできるので、首の下を高めにし、後頭部の部分を落とすなんてこともできます。他にも調節できるものとして、ビーズや、パイプの枕がありますが、形状記憶においては低反発素材のウレタンがお勧めです。
腰痛の方へ
腰痛を持っている、あるいは背骨が丸くなってしまっている方は仰向け姿勢が辛い場合があります。対処療法として膝を曲げて下にクッションをあてがうことで楽になるケースがあります。
肩の痛みや、腕・指のシビレがある場合
肩が前に出て猫背、巻き肩傾向にある方は、仰向けに寝ていると夜中や、早朝に痛みが増悪するケースがあります。肩甲骨の下から腕全体をクッションでサポートするように持ちげてあげると楽になる場合があります。
”いびき”の対処について
仰向けの姿勢は気道が重力により潰れる傾向にあるため横向きに寝るよりも”いびき”をかき易いと言えます。後頭部を上げ過ぎて、下位頚椎の前弯がなくなっても気道がせまくなり、”いびき”をかきやすくなります。同様にストレートネックの方もかきやすい傾向にあるかもしれません。できる対処法として、リクライニングが可能な場合は上半身が起きる方向へ傾斜をつけると気道が重力から僅かに開放されます。
その他、寝る前の飲酒や、過労は良くないとされています。仰向けよりも他の姿勢での寝方でも改善がみられる場合があるのでそちらも試してみましょう。下記のシムズの姿勢もお勧めです。
横向き(側臥位)
横向きと、仰向けで同じ枕を使っている方が多いかと思いますが、両方の姿勢を行うなら2つ使いもお勧めです。肩幅が大きい男性や、身体が硬い(特に肩の可動域)方は特に横向きで合わせた枕の使用が勧められます。
ポイントは横向きになった時に頚が左右に倒れないように高さを選ぶことです。大抵の場合は仰向けの際より高めになるかと思われます。枕を一つでまかなう場合は、仰向けの設定で合わせて横向きで寝る際は身体を真横ではなく、下にしている方の肩が前方へ出るように、胸が天井へ向くように傾けると、頭と肩幅の距離感が近くなり合わせることができます。背中に空間ができるため、違和感がある方は背中にクッションをあてがって姿勢を保持するのも良いかもしれません。横向きをサポートする用の長く形の変化するクッションもあるため参考にしてみてください。
その他の寝方
うつ伏せの多くはどちらかに身体が向いている形をとることかと思われます。半うつ伏せとでもいう姿勢、シムズの姿勢や、シムス位とも呼ばれます。
上になっている腕と足の下にクッションをあてがうことで姿勢が安定しやすくなります。腰痛や、お腹が出ていて仰向けで寝るのに圧迫感のある妊婦の方や、肥満の方が楽な傾向の形です。気道を確保する方策としてもシムズの姿勢をとらせることがあり、この場合は特に昏睡体位と称されます。 気道が通りやすい姿勢のため、”いびきの対策”としても有効と言えるでしょう。
追記
介護の現場、家族の中に高齢で背骨が曲がってしまったり、手足が伸びきらないなどで基本の姿勢をとれない例外もあるかもしれません。そんな場合でも基本は接地面積を増やすように、枕やクッションを身体の空いたスペースに埋めてあげることです。
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