みなさんも大好きなカレーライスや、チゲ鍋、キムチ、辛い食べ物には数多くのスパイスが含まれています。
スパイスがもたらす効果は、口の中と、その他の部分では感じ方や、与える効果が変わっていくことが分かっています。
そんな数あるスパイスには、エネルギー代謝にも影響を及ぼすなど、健康面にも多大な効果を発揮することが知られてきています。
今回は、スパイスでもたらされる身体の反応についてを解き明かしていきたいと思います。
スパイスのメカニズム
- 辛味=痛み
- 辛味受容体を活性化するスパイス
辛味=痛み
辛味はうま味、甘味、苦味、酸味、塩味のような基本五味には含まれず、基本五味とは受容メカニズムが異なります。
トウガラシの成分であるカプサイシンは口内の神経末端にあるTRPV1(辛味受容体)という感覚受容体を活性化させて辛味を感じさせています。
また、興味深いことに43℃以上の温度刺激や酸性のものにおいても、同じ感覚受容体が活性化されます。
43℃という温度は痛いと感じ始める温度であり、 口内での「辛さ=痛み」刺激であることが示されます。
つまり、トウガラシ入りの熱々スープなどは辛味がより強く感じられる料理であると言えるでしょう。冷めれば辛さが半減することになります。
この感覚受容体は口内だけでなく全身の痛みと温度に関連しています。 痛覚と温度感覚は同じルートで脳に伝達されます。
すなわち、身体にカプサイシン(トウガラシ)を塗ると痛みを感じることになります。
某You tuber達が企画で使用していた「デスソース」も43℃以上に加熱した状態で口に頬張ったり、身体に塗布することで、より地獄の辛さ(痛み)を体感できるかもしれませんね…(笑)
※危険なので真似しないようにしましょう 。
辛味はうま味、甘味、苦味、酸味、塩味のような基本五味には含まれず、基本五味とは受容メカニズムが異なります。トウガラシの成分であるカプサイシンは口内の神経末端にあるTRPV1(辛味受容体)という感覚受容体を活性化させて辛味を感じさせています。また、興味深いことに43℃以上の温度刺激や酸性のものにおいても、同じ感覚受容体が活性化されます。43℃という温度は痛いと感じ始める温度であり、 口内での「辛さ=痛み」刺激であることが示されます。 つまり、トウガラシ入りの熱々スープなどは辛味がより強く感じられる料理であると言えるでしょう。冷めれば辛さが半減することになります。
辛味受容体を活性化するスパイス
参考までに他にも多くのスパイスが存在します。
スパイスは辛味だけでなく様々な感覚、ペパーミントは爽快感や清涼感をもたらしますが、これはミントに含まれるメントールという成分が受容体(TRPM8)に作用して感じられます。
哺乳類(ヒト)では冷たい温度域から熱い温度域までをカバーする受容体が多数報告されています。
前述の通りカプサイシン(トウガラシ)の熱感は43℃以上を感知する受容体が活性化して生じます。
メントールの清涼感は28℃以下の温度を感知する受容体が活性化することでもたらされます。
つまり、実際の温度とは関係なくメントールにより脳は冷たさを感じます。
これらのスパイス成分が温度を感知する受容体を刺激・活性化させることで、あたかも温度が変化したかのように感じます。
スパイスの健康効果
- ダイエット効果
- 鎮痛作用
- 体温調節の作用
ダイエット効果
辛味成分であるカプサイシンにエネルギー代謝促進作用や、体脂肪蓄積の抑制作用があることや、その吸収と代謝の作用があることが分かっています。
しかし、その辛さから日常的に摂取するのが難しいとされています。
そこで、辛くないトウガラシの”CH19甘(CH19sweet)”の登場です。
成分はカプシノイド群と呼ばれ、辛くないカプサイシンと言えるでしょう。今ではサプリメントとして商品化もされています。
また、パプリカやピーマン、オクラといったトウガラシの仲間にもこの成分が含まれているようです。
これは口内では感覚受容体を刺激せずに、胃腸管にてカプサイシンと同じように感覚受容体を活性化させるため、効能は同等の物とされています。
6~10 mgという微量のカプシノイドが胃や小腸の受容体を活性化することで脂肪組織での熱産生を亢進するという報告があります。
近頃は、この成分のサプリメントも販売されています。
カプシノイド(カプサイシン)以外のスパイス成分でも胃腸管に作用し代謝を高めている可能性が考えられます。
継続的にスパイス成分を摂取することで交感神経系が活性化された状態になり、基礎代謝が高まることで体重及び体脂肪が減少すると考えられます。
鎮痛作用
カプサイシンは痛みを起こす一方で鎮痛作用も報告されています。カプサイシンにから刺激を受けた受容体が脱感作することで、その後の刺激に対する反応性が低下するとされています。温湿布の成分としても使われています。
現在ある痛み刺激をカプサイシンで受容体を活性化させて上書きするということでしょう。
冷湿布やその他多くの痛み止め製品にも使われているメントールにも似た効果があり、冷たいと感じさせるメントールによって元々の痛みを上書きします。
これは対処療法的な意味合いが強いですが、 特に日本では多くの方が利用されています。
詳細は別の記事に記載してあります。
体温調節の作用
スパイスは古来より身体を温める効果や、冷ます効果を期待して利用されてきました。
カプサイシンの皮下投与は身体を温める作用(熱産生)と身体を冷ます作用(熱放散)を同時に引き起こします。
いくつかの研究結果から、熱い温度を受容する受容体をスパ イスで活性化させると、体を冷ます方向に体温調節がかかる。
冷たい温度を受容する受容体を活性化させると体を温める方向に体温調節がかかるということが示されています。
例えば、メントールで清涼感が与えられ、身体は温度が低下したと錯覚して体温を上げようとする働きがおきます。
これは、アイスクリームの上に添えられたミントが良い例です。
アイスクリームを食べると口内の温度が下がってしまい、甘味を感じ辛くなってしまいます。
そこで、ミントの成分であるメントールが口内温度を上昇させ、再び濃厚な甘みを体感させてくれるといったような役割があります。
これを読んだミント嫌いな貴方も、明日からはアイスクリームと一緒についミントを食べたくなってしまうかもしれませんね(^_^;)
この反応は、生体の体温を一定に保つ上では合目的な反応であると言えます。
ただし、カプサイシンによる熱産生の亢進は体温を一定に保とうとする機構とは逆の作用であるため、体温調節とは異なる何らかの生理的意義があると考えられています。
シナモンやワサビに含まれる成分では熱生産が高まり、冷めにくくする作用が報告されています。
まとめ
- 食のアクセントであるスパイスには様々かつ有効な作用がある
- 代謝アップ、体脂肪抑制作用でダイエットのお供に
- 代謝アップ、身体が温まるので冷え性の方にもお勧め
- 良いこと尽くしだけど多量な摂取はスパイスだけに刺激的なので要注意
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