一般的な紐通しの方法では、紐を強く絞った所で、主に足首だけが締まってしまいます。
当然、それでは足先のホールド力、フィット感は期待できず、足先が靴の中で暴れて(動いて)しまいます。
そうなれば、踏ん張りが利かず力が床に伝わりにくい、急なターンができない。
スポーツ場面では、足元が悪ければ投球動作や、キック動作も不安定になり、本来持っているパフォーマンスを発揮できなくなっているかもしれません。
それだけではなく、怪我のリスク、豆の発生、爪の変形、外反母趾、捻挫といった様々な弊害が生じることにも関連しています。
今回は、運動の発生源である足元にフォーカスを当てて、安定性が得られ、パフォーマンスの向上にも貢献できるかもしれない”靴紐の通し方”について紹介していきます。
外反母趾や、足の豆、爪の変形の対策としても効果が期待できるので、ぜひ参考にしてみてください。
安定性が向上する靴紐の通し方
今回紹介する、方法の特徴としては、”足先”と”足首”を分けて調節でき、フィット感、固定感があるのに、締め付けられた様な不快感を感じにくいという特徴を持っています。
以下に、一般的なジョギング用、ランニング用のスニーカーで説明していきます。
手順
①紐を一番下の通し穴に左右均等になるように通します。
②1段目あるいは、2段目を通した後に「×の字」を作るように交差させます。
上の図では2段目を通した後に交差させています。
交差させる段のポイントは③で説明します。
③上の図の赤丸で囲んだ足の出っ張りを基準に、②の「×の字」を合わせます。
赤矢印を占めて固定するために「×の字を」を作っています。
※赤丸どうしを結んだ線より指先側に「×の字」を作ってしまうと指の動きを制限することになるので注意してください。
④紐を交差させて「×の字」を作った後は、「一番上の穴」を残して通常通り紐を通します。
途中真ん中に「固定穴」があるデザインの場合は通しておくとズレにくくなります。
⑤対面に交差させずに、「Dリング(Dの字の輪)」を作ります。
⑥左右とも「Dリング」を作り、「ロゴの下に通し穴」があるデザインの場合は通します。
⑦「Dリング」の中に対面から出てきた紐を通します。
左右とも同様に行ってください。
⑧以上を通し終えると上図のような形になるはずです。
左右の紐を結んだ後に、蝶々結びをすれば完成です。
⑨完成図です。
この紐の通し方の利点は”足指の付け根(赤矢印)”と”足首(青矢印)”とで、紐の締め分けをすることができます。
以上の工程をまとめます。
- 紐を一番下の通し穴に左右均等になるように通す
- 1段目あるいは、2段目を通した後に「×の字」を作る
- 「×の字」は足指の付け根を締めるために作る
- 「×の字」を作った後は「一番上の穴」を残して、通常通り紐を通す
- 対面に交差させずに「Dリング」を作る
- 足首付け根の「ロゴ下に通し穴」がある場合は通す
- 「Dリング」の中に対面から出てきた紐を通す
- 左右の紐を結んだ後に、蝶々結びをすれば完成
- 指の付け根と足首を締め分けることで調節する
疾病の予防と対処にも有効
- 偏平足
- 外反母趾
- 巻き爪
巻き爪に関しては別記事でもまとめてあるので参考にしてみてください。
偏平足
足関節が回内位で踵骨が外反する足関節のアライメント(姿位)を指します。
つまり、足底の内側のアーチが低下して扁平化しているため”偏平足”と呼ばれています。
※☆の舟状骨(しゅうじょうこつ)の位置は内くるぶし付近の骨の出っ張り確認することができます。
偏平足であることから、内側アーチだけでなく、横アーチも次第に低下し、外反母趾も併発するリスクがあると言えます。
偏平足の改善体操
内側アーチに関与する筋をトレーニングします。
- 長趾屈筋 ①
- 長母趾屈筋 ①
- 前脛骨筋 ②
- 後脛骨筋 ②
- 母趾外転筋 ③
※①~③の数字は下記エクササイズのナンバーのタイミングで働いている筋です。
タオルギャザーというエクササイズを行います。
手順として、椅子に座り、裸足になって行います。
- 床に置いたタオルを足の指全体でつかむ
- タオルをつかんだままカカトを床に付けて足関節背屈(足首を反らせる)
- 指を伸展・外転する(タオルを離して、指を反らして、目いっぱい開く)
- 20回を1~3セット行う
外反母趾
縦アーチの崩れ → 横アーチが崩れ → 外反母趾
といった経過をたどり悪化していくことがしばしばみられます。
”縦アーチの崩れ”は、先に扁平足の項で述べた舟状骨の位置や、カカトが外反していないかで判断します。
”横アーチの崩れ”がある場合は、足の裏を見て第2指(人差指)の付け根付近に豆ができやすいです。
外反母趾はこれらのアーチが崩れ、筋のバランス、足の変形が進行した末期の症状です。重篤な変形の前にアーチの崩れのサインがないかチェックしましょう!
すでに横アーチの崩れがある方はおそらく、靴を選ぶ際に指の付け根が当たってしまう場合もあるでしょう。
だからといって大きめの”5E”の靴を選ぶのはナンセンスです。症状の悪化を止めることはできないでしょう…。
むしろ、先ほどの靴紐の通し方で説明したように指の付け根を締めるようにしっかり固定しましょう。
上の図の青線で示したように横アーチが低下すると足幅が疑似的に広くなります。
上の図の赤丸の部分をしっかり固定して靴の中で遊びが無いようにすることが、外反母趾の対処として有効となります。
また、豆ができてしまった直下(カカト方向)へ補高してあげるようにインソールを設置することも有効になります。
外反母趾変形がある場合、横アーチが低下したままでは指の関節は脱臼もしくは、それに近い状態になっており、思うように体重をかけたり、指を反らせたりする動きが制限されてしまうはずです。
赤丸の部分をしっかりと固定して、指先を反らすようにストレッチや、指先への荷重を行うことが重要となります。
それでも、どうしても指の動きに制限があり、痛みを伴う場合は、靴の形がコロコロ転がりやすい”ロッカー状”のタイプを選ぶと歩行がしやすくなるかもしれません。
上の図のように始めから指先が上がっているものだと指の動きに制限があっても、蹴り出しをアシストしてくれます。
スニーカータイプの靴なら物によりますがほとんどの靴がこの機能を採用しています。
指に動きの制限がある外反母趾の方だと、この機能が強調されたデザイン、かつソウルがヨレずに形状を保ってくれる硬めのものが足先を守ってくれるかと思います。
靴選びの参考にしてみてください。
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