膝が痛いから、膝の画像をとって、膝にヒアルロン酸を入れて・・・
膝の痛い方に対して、医療機関では良く行われているルーティンですが、果たして効果はあるのでしょうか・・・?
おそらく、難しいでしょう。
「膝は被害者である」
と言われるようにスポーツなどで痛めたようなケガを除いては、長年の生活習慣で蓄積されたメカニカルストレスが原因で起こる痛み、機能障害は膝とは別に障害がある場合が多く見られます。
中でも、股関節の可動性低下、機能障害により膝にかかるストレスが大きくなり、痛みを生じるケースは珍しくありません。
どのように関連しているのか見ていきましょう。
膝痛の原因とは?股関節の機能障害との関連性
画像所見は腰痛の場合と同様に、膝の痛みでも画像所見と本人の自覚症状は一致しませんし、関連性は薄いと言われています。
50歳、60歳を過ぎた方の膝の画像を撮影した場合、ほとんどに”関節がすり減っている”や”関節が狭くなっている”などの所見がみられるでしょう。
しかし、画像で所見があっても痛く無い人もいるし、所見がなくても痛みを訴える人はいます。
つまり、「膝が痛い≠関節がすり減っている」という訳です。
そして、膝の痛みの訴えのある方では、股関節の可動域制限や、殿筋などの股関節周囲の筋がうまく働いていない機能障害が見つかることが多く見られます。
こちらに対処しなければ、薬や手術では根本的な解決にはならないと言えます。
医療機関で受けられる治療のリスク
歳相応で”膝が痛い”と医療機関へ受診した多くの場合は、まず画像を撮り、当然として年相応の所見が映し出されるでしょう。
そして、治療はというと・・・
・湿布
・鎮痛剤
診察を効率的に作業的に回そうとすると選択肢はこれくらいでしょうか。
忙しい施設では、高齢者の膝痛で運動療法が処方されることは稀です。
しかし、このどれもが効果は怪しいと言わざるを得ません。
ヒアルロン酸は体内に吸収され持続性は期待できませんし、そもそも”注射針を刺した痛みで元の痛みを一時的に忘れられているだけ”とも言われています。
それどころか頻繁に関節注射を行うことは関節炎のリスクとなります。
にもかかわらず、1か月より早い頻度(週1や2周に1回)で関節注射を行っている医療機関には要注意です。
集金目的の可能性が高いと言えます。
その他、手術を勧められるケースがありますが、メリットばかりの手術ではありません。
中にはそもそも関節痛が原因ではない場合もあるため、安易に手術はおすすめできません。
股関節の機能障害が及ぼす膝へのストレス
ではなぜ股関節の制限が膝にストレスを与えるのかを掘り下げていきます。
そもそも、膝という関節は「曲げる」「伸ばす」の一軸の方向にしかほとんど動くことのない関節です、回旋や、内外反はわずかでしかありません。
つまり、側方への動きや、回旋運動は足関節と股関節が主に制御します。
そして、中でも股関節は球関節であり、3軸方向の動きに対応し、かつ、体重を支える上で大いに貢献している関節となります。
この股関節の動きに制限がでたら・・・
筋がうまく働かずに股関節で体重を支えられることができなければ・・・
本来であれば股関節が行っている仕事を膝関節で補うようになります。
股関節の内旋制限があればO脚に、外旋制限があればX脚の方向へのストレスがかかりやすくなります。
また、大・中殿筋が立位、歩行時に機能していなければ、正常に片足で立つことが困難になります。
身体を左右に倒してバランスを取るか、あるいは、膝の内外反(左右)の動きでバランスを取るようになるでしょう。
しかし、この膝を内外反に制御する組織は靭帯と、関節そのものしかありません。
よって、関節へのダメージ、靭帯へのストレスにより膝関節がルーズになり痛みが生じるでしょう。
痛みを避けるために、膝を曲げずに伸ばしたまま骨にロックをかけ、関節にもたれかかっていれば、次第に筋力低下と、動かないことで末梢神経の滑走性の低下や、循環障害も順に現れるでしょう。
このように、股関節から2次的にストレスを受けた膝に対してのみ、治療を試みても良い結果にはならないはずです。
エクササイズ
これらの問題に対してのアプローチで重要なのは
- 股関節の可動域の確保
- 股関節周囲の筋力トレーニング
筋力トレーニングと言って機能的に立位で、歩行で使えるようにするトレーニングであり、筋肥大を目的とするトレーニングではありません。
具体的な内容は以下の記事と動画を参考にしてください。
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